ママが未経験からリモートワーク可の仕事に転職する方法【在宅勤務のポイント徹底解説】

山積みの家事に子どものお世話、通勤、仕事でバタバタの毎日。
子育て中のママだったら一度は「家で働くことができたらいいのに」って考えたことはありませんか？

でも、わたしの会社には在宅勤務の制度がないし、わたしには特別なスキルもない、ってはじめから諦めてない？

実は、「在宅で働く」って個人事業主だけの特別な働き方ではなく、会社員のままでもできる働き方なんです。在宅勤務（テレワーク）は厚生労働省も推進する働き方のひとつ。コロナ禍前より導入する企業が増えました。

この記事では、子育て中のママでも安定した会社員として「在宅勤務」ができる会社に転職する方法を紹介します。

ママの願いは「在宅勤務」という働き方を通して家族と自分を大切にすることですよね。
この記事では、企業に雇用された「会社員」として働くことを前提にママが在宅で仕事をする方法を解説します。

今、子育てと仕事の両立で悩んでいるママが「在宅勤務」を目指して行動するきっかけになれば嬉しいです。

在宅勤務とは会社員の働き方

働き方改革により、従業員が子育てや介護をしながらでも柔軟に働くことができる仕組みの整備が進んでいます。自宅で仕事ができる「在宅勤務」もそのうちのひとつ。在宅勤務とは、会社員がオフィスに出勤せずに自宅などを就労場所として仕事をする勤務形態です。

在宅ワーク、リモートワーク、テレワークという言葉は、似ているようで厳密には意味が違います。

在宅勤務・リモートワーク・テレワークの違い

「リモートワーク」という言葉も耳にすることが増えましたよね。リモートワークは、自宅やカフェ、サテライトオフィスなど、リモート（離れた）場所で仕事をすることです。

似たような言葉で、「テレワーク」があります。テレワークは、パソコンなどを使用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く仕事の仕方です。

• テレワーク（自営型）：フリーランス、個人事業主
• テレワーク（雇用型）：企業に雇われている正社員、派遣社員、アルバイト

在宅勤務、テレワーク、リモートワークなど、呼び方は会社によって違いますが、意味はほぼ同じ。出勤せずに自宅で働くことです。

ここからは、テレワークも、リモートワークも含めて統一して「在宅勤務」と呼ぶことにします。

会社員でも在宅勤務はできる？データで見るリアル

会社員でも「在宅勤務」は可能です。
企業に所属しながら、自宅で働く在宅勤務（リモートワーク）は、もはや一部の専門職だけの特別な働き方ではありません。未経験のママでも希望して行動すればチャンスがあります。

以前はエンジニアやデザイナーなどIT関連職に限られていましたが、コロナ禍を経て現在では一般事務・営業サポート・経理・カスタマーサポートなど、幅広い職種で在宅勤務が導入されています。

厚生労働省や総務省も「テレワーク総合ポータル」を通じて、企業のテレワーク導入を推進。
政府全体として、育児や介護と仕事を両立しやすい環境づくりを支援しています。

次のグラフにあるとおり、総務省の「令和６年度通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業の割合は2022年（令和4年）以降やや減少しています。
しかし一方で、テレワークの導入目的を「勤務者のワークライフバランスの向上」「育児・介護中の社員への対応」と回答した企業の割合は増加傾向にあります。

つまり、子育て中のママに理解のある企業が確実に増えているということ。

出社日を設けるハイブリッド型勤務も多く、完全リモートでなくても「在宅で働く時間を増やす」ことが現実的に可能な時代になっています。

会社員として安定した収入を得ながら、家庭との両立を図る。そんな働き方が、いま少しずつスタンダードになりつつあります。

業界別の在宅勤務導入率

在宅勤務を取り入れている企業が多い業種を紹介します。

導入率が高いトップ３は次のとおりです。

• 情報通信業（94.3%）
• 金融・保険業（84.5%）
• 不動産業（69.5%）

一方、導入率が低めの業種は、

• 運輸・郵便業（31.4%）
• 卸売・小売業（40.1%）
• サービス業・その他（41.5%）

このデータからは、情報通信や金融・保険業では在宅勤務がしっかり定着していることがわかります。

職種別の在宅勤務導入率

「わたしの現職の業界では難しいかも…」と思う人もいるかもしれません。
でも、実は業界よりも職種でチャンスが広がることもあります。

たとえば、次のような職種では在宅勤務の割合が高くなっています。

• コンサルタント（62.2％）
• IT系技術職（58.3％）
• 企画・マーケティング（49.6%）
• 経営企画（48.7%）
• 広報・宣伝・編集（37.9%）
• 総務・人事（30.0%）
• 営業
• 財務・会計・経理

業種×職種で在宅勤務は目指せる

転職を考えるとき、前職での経験やスキルを重視されますよね。

これまでの経歴から、「自分のいた業界では無理そう」と思っても、職種を変えることで在宅勤務に近づけることがあります。

たとえば、小売業で販売スタッフをしていた方なら、同じ小売業の中でバックオフィス業務やカスタマーサポートを目指すのも一つの方法です。

「業界×職種」のかけ合わせを工夫すれば、あなたの経験を活かしながら在宅勤務を実現する道はきっと見つかります。

ママが在宅勤務をするメリット・デメリット

ママにとって在宅勤務は憧れの働き方ですよね。実際、在宅勤務を経験した人からは今後も続けたいという声もよく聞かれます。
パーソル研究所「第十回・テレワークに関する調査」によると、テレワーク実施者のうち、82.2%の人が「テレワークを継続したい」と答えたそうです。

人気の在宅勤務ですが、メリット・デメリットを知った上で、後悔なく在宅勤務のスタートを切りたいですよね。次に、子育て中のママ目線で、会社員として在宅勤務をするメリット・デメリットを考えてみましょう。

デメリット

・孤独を感じやすい
子育て中は悩みがつきないもの。会社に出勤していれば、同僚や先輩とちょっとした雑談をしたり、ランチの時間に息抜きができますよね。
でも在宅勤務だと、「今日子どもがね、こんなことしちゃって」と話せる相手がいない。
そんな小さな孤独感を感じるママも少なくありません。

・教わる機会が減る
会社員の良さは、同じチームに仲間や先輩がいて、直接サポートしてもらえること。オフィスに出勤している人なら、仕事に取り組んでいる最中に浮かんだちょっとした疑問をすぐに聞いて解決することができます。
でも在宅勤務だと、わからないことがあってもすぐに誰かに聞けず、まずは自力で解決しようと調べることになります。
それでもわからなければ、オンライン通話やチャットワークで尋ねることはできますが、対面よりも時間がかかるのが現実です。

メリット

会社員は一定以上の条件で社会保険に加入することができます。次の画像の４つの条件にチェックが入る人は、会社の社会保険に入ることになります。
社会保険に加入すると、保険料を支払わなければいけませんがその金額は会社と折半です。

・会社の福利厚生が使える安心感
会社員として働く最大のメリットのひとつは、福利厚生の充実です。従業員を雇用している企業が必ず導入しなければいけない基本的な社会保険には、次のものがあります。

• 健康保険
• 介護保険
• 厚生年金保険
• 労災保険
• 雇用保険など

会社独自の福利厚生には以下のような制度もあります。

• 住宅手当
• 扶養手当
• 食事補助
• 特別休暇
• 資格取得補
• 定期健康診断など

こうした会社員ならではの制度は、子育て中のママにとって心強い味方。在宅勤務でも会社員である限り、安心感を持って働けます。
これまで家族の扶養に入っていたママは、自分の社会保険に加入することで、収入の上限額を気にする必要がなくなり、どんどん収入を上げていくことができます。

自分で国民健康保険や国民年金に加入していたママは、会社の社会保険に加入することで保険料を全額自分で納付する必要がなくなり、保険料の負担が下がることが多いです。

・子育てと仕事の両立がしやすい
子どもの体調不良、長期休暇、行事などがあっても、在宅勤務なら柔軟に対応できます。
仕事中だから子どもとじっくり向き合って遊ぶことはできなくでも、ある程度の年齢になれば「ママは仕事中だからこのお部屋で遊んでてね」と伝えて、近くで見守れるだけでも安心。出社しているとそうはいかないです。
同じ建物の中にいられること。それだけで救われる瞬間、ありますよね。

・家事と仕事の両立がしやすい
ママは家に帰ると本「もう一つの仕事」である大量の家事が待っています。
でも在宅勤務なら、昼休みや休憩時間にちょっと洗濯物を干す、食洗機から食器を取り出す、など小さな家事を合間にこなすことができます。

これだけで、子どもたちが帰宅してからのバタバタがぐっと減ります。

・通勤時間がゼロになる
出社するための時間がない分、通勤時間がまるごと自分の時間に。
通勤にかけていた30分〜1時間の時間を削減できたら、家事を片付けたり、子どもと遊ぶことだってできます。
朝の支度や保育園への送り出しにも余裕が生まれ、「時間のゆとり」が心のゆとりにつながります。

在宅勤務って本当に忙しいママ向きの働き方ですよね。

・モチベーションが上がる
在宅勤務を始めてみると、「本当にありがたい働き方だな」と感じるママが多いです。家事もはかどるし、子どもの体調不良や行事にも柔軟に対応できる。

こんなに助かる働き方、環境を整えてくれて本当にありがとう！もっと貢献できるようにがんばろう、という気持ちが芽生えることも。
意外かもしれませんが、出社していたときよりも仕事へのやる気が上がったという声もよく聞かれます。

ママが在宅勤務を叶える５ステップ｜転職成功までの流れをやさしく解説

ここからは、在宅勤務ができる仕事に転職する方法を具体的に解説します。毎日忙しいママが効率的に行動できるようにポイントをまとめました。

STEP1：目的を整理しよう（事前準備①）

在宅勤務ができる会社に転職したい！そう思ったら、すぐに求人サイトで検索…の前に少し立ち止まりましょう。

在宅勤務だけを目標にしてしまうと「思い描いていた働き方と違った…」という後悔につながることもあります。在宅でも出社でも転職を成功させる第一歩が目的の整理です。ここにじっくりと時間をかけることで納得のいく転職に近づきます。

「在宅勤務」は目的を叶えるための条件であり、手段です。
「在宅勤務がしたい」だけではなく、在宅勤務を通して「どんな生活をしたいのか」を明確にしてみましょう。

今の悩みはなんですか？

• 子どもの迎えの時間がギリギリでいつも焦ってる。一番最後のお迎えが心苦しい。
• 子どもが熱を出したとき、職場の理解を得られない
• 時短勤務が終わる。フルタイムだとお迎えに間に合わない。
• 仕事、家事、育児でもうキャパオーバー

次に、「在宅勤務で叶えたいこと」を整理してみましょう。たとえば、次のような未来を目的とします。

・後悔しないように子育ても自分の仕事も大切にしたい
・「おかえり」と子どもを家で迎えたい
・まいにち家族とゆっくり夕飯を食べたい
・子どもに「働くママ」の姿を見せたい

正解は自分の中にしかありません。
飾らない正直な自分の気持ちを整理しておくと、仕事を選ぶ基準がはっきりしてきます。

STEP２：自己分析をしよう（事前準備②）

次に、「在宅勤務をしたい自分」はどんなことを企業に価値提供できるのかを考えます。

・企業にアピールできる自分の得意な仕事は？
・今までのキャリアで培ったスキルは？
・会社員として今後の目標は？
・自分が会社のために貢献できることはどんなこと？
・どんな人、お客さまの役に立ちたい？

これらを整理しておくと、「在宅勤務」という条件を軸にしつつも、芯のある転職活動ができます。

STEP3：家族に宣言しよう

ここまで考えて「よし！家で働こう！」と決意できたら次は家族に宣言です。

ママの転職は、家族の協力なしではなかなか進みません。夫や子どもたち、両親に「在宅勤務ができる会社に転職したい！」と素直に話してみましょう。

• 内定が決まってから家族に反対された
• そんなの聞いてないと言われた

というケースもよくあります。

どうして在宅で働きたいのか、どんな未来を望んでいるのかということを早めに家族と共有しておくことで、応援してもらいやすくなります。

小さい子どもでも、「ママはおうちでお仕事できるようになるんだよ」と話すと意外と理解してくれるものです。

STEP4:求人検索＆情報収集

ここでいよいよ求人を探す段階です。

｢在宅勤務」にこだわりたいママは、転職サイトと転職エージェントの併用が断然おすすめ。それぞれの特徴や注意点があるので自分にとって都合が良い方をうまく活用していきましょう。

	転職サイト	転職エージェント
サポート	なし	プロ（アドバイザー）がつく
探し方	自分で	おすすめ求人を紹介してくれる
求人数	多い	少ない 非公開求人含む
書類作成・面接支援	なし	あり
向いている人	じっくりマイペースに進めたい 気軽に求人を見たい 希望条件がはっきりしている	効率的に転職したい 初めての転職 キャリア相談もしたい

転職サイトは全体の求人数が多いため希望する求人に出会える可能性が高い反面、アドバイザーからのサポートを受けられないため、スケジュールや書類の作成、面接対策まで自分自身で行わなければいけません。
一方、転職エージェントはアドバイザーが個別に支援してくれます。

転職サイトと転職エージェント、どちらも併用して活用することで希望する求人に出会えるチャンスを増やしていきましょう。

転職サイトで探す

事前準備をしっかりとしておくことで、譲れない条件、業種、職種、雇用形態などをスムーズに入力して大量にある求人の中から希望に合うものを検索することができるはずです。
転職サイトは、いつでも思い立ったときに気軽に自分のペースで求人を探すことができます。

求人を出す企業目線で見ると、転職エージェントに求人を出すよりも転職サイトに掲載する方が安価で人材を募集できる、というメリットがあります。地方にある中小企業など、大手企業ほどの人材獲得にかけることができる資金力がない会社とも出会うことができます。

転職エージェントで探す

転職エージェントを活用すると、

• 自分が希望する求人をエージェントが探してくれて
• 書類作成の支援
• 面接対策
• 日程調整から給与の交渉までしてくれるうえに、
• 内定後までサポートしてくれます。

全面的なサポートのおかげて、転職サイトを使うよりエージェント利用の方が内定率が高い、とも言われています。初めて転職する人や今後のキャリアについても相談したい人に転職エージェントがぴったりです。

忙しいママにとっては至れり尽くせりのエージェント一択だと思いますよね。
でも、プロの転職アドバイザーも人間ですから、相性があります。場合によってはアドバイザーとの相性があわないことも。転職活動のどんなところを支援してほしいのか、アドバイザーに委ねすぎず自分の希望を遠慮せずに伝えられると納得のいく転職活動ができるでしょう。

STEP５：応募・選考・内定へ

応募したい求人が決まったらいよいよ書類選考、面接です。在宅勤務可の人気求人は掲載後、すぐに申し込みが殺到して募集を締め切られることもあります。

これだ、と思う求人が掲載されたらチャンスを逃さないように、

• 新着求人を定期的にチェック
• 書類は早めに準備
• オンライン面接の練習もしておく

など、エージェントもうまく活用しながら転職活動を進めましょう。

未経験・転職者の注意点

まったくの未経験での在宅勤務は、正直難しい

在宅勤務が定着しつつある今でも、未経験、転職でいきなりフルリモートは難しいのが現実です。

コロナ禍以降、リモートワークを導入する企業は増えましたが、
実際に在宅勤務をしているのは「すでにその会社で実績を積んできた社員」であるケースがほとんど。

なぜなら、在宅勤務にはその会社の文化や仕事の流れ、システム操作など、
“社内の当たり前”を理解していることが大前提だからです。

転職してすぐの段階では、

・業務の進め方やルール
・社内システムの使い方
・仕事の背景や目的の理解
など、覚えることが山ほどあります。

これらをすべて自宅で一人で学ぶのは非効率。在宅勤務をするために、最初は出社して学んでいく必要があるケースも多いです。

とはいえ、仕事内容によってはチャンスあり！

やっぱり「未経験だと無理なんだ」と諦めるのはまだ早いです。業界・職種によっては、未経験から在宅勤務をスタートできる仕事もあります。

たとえば、こんな職種は未経験でも挑戦しやすいです。

• カスタマーサポート
• データ入力、リスト作成
• オンライン販売サポート
• 事務アシスタント

これらの仕事は、基本的なパソコンスキルとコミュニケーション能力が重視されます。職場の対面のやりとりがない分、業務に必要な知識を自ら学ぶ姿勢と、意欲的な取り組みを積み重ね、「オンラインでも信頼される人」を目指すことが大切です。

実績をつけることができればさらにキャリアアップできる可能性もあります。

雇用形態にこだわりすぎないのもコツ

最初から正社員を目指すと、条件に合う求人が少なく苦戦しがちです。

もし思うように見つからない場合は、正社員採用にこだわらず、派遣社員や契約社員から始めるのも立派な選択です。

という流れを目指すというのもひとつの方法です。

焦らず段階を踏んで、リモートでも安心して働くことができる信頼と実績を育てていきましょう。

まとめ｜未経験でも働き方は変えられる！

「在宅勤務」という家族のため、そしてママ自身のための働き方です。特別なスキルを持った人だけのものではなく、希望して行動すれば誰にでもチャンスがある働き方。

子育てをしながら働くのは本当に大変ですが、在宅勤務という選択肢があることで、仕事と家庭のバランスを取りやすくなります。

この記事が、「もう両立は無理かも…」と悩んでいるママの背中をほんの少しでも押すことができたらとても嬉しく思います。